This set of interviews is not done by me. However, the partial translations are. It takes lace after the Hanshin Eathquake, so after 1995, and it's for school report done by a Japanese college astronomy club. It's most likely the summer of 1996.
The following set of interviews is from: http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/~ayano/naoko/takeuchi.html
The page no longer functions, and can be found on the Wayback machine at archive.org. However, you have to change your character encoding to EUC to view it. Thus the original Japanese can be found here: Japanese Version
About the beginning of part IV (Supers), and a "solar eclipse"
Who participated in the interview
Naoko Takeuchi: Takeuchi Naoko-Sensei
Osabu: Osano Fumio(Editor, known as Osabu)
Manager: Takeuchi-sensei's manager.
Tomoaki Matsumoto: Tomoaki Matsumoto
Katsuko Nakahira: Katsuko Nakahira
Obayashi Ayano: Obayashi Ayano (Interviewer)
Katsuko Nakahira: So then、Should we follow the questions in the FAX's Subject...? I also see you start manga on the side. You are on your fourth series, aren't you? There is a solar eclipse, isn't there? Also, well, including that element... now still it's still scary... [ed. the original used slang] What do you have to say about it? ……何かただ単なる予感とかって いうのもいろいろあったんですけども、 今回わざわざ日食とかのシーンから始められたっ ていうのは、まぁ、特に意味があるんでしょうか、 ないんでしょうかという……。
Naoko Takeuchi: 何か今日、持ってきてないよね。 あれ(質問にあらかじめ答えて送ったFAX)がもしあれば、 いただけると……。
Obayashi Ayano: あっ、あります、あります。
Tomoaki Matsumoto: えー、この中にあります。
Katsuko Nakahira: 入ってた?
Obayashi Ayano: 私の予備もあるし……。(バラバラ)
Naoko Takeuchi: ごめんなさい(笑)。
Tomoaki Matsumoto: はい。(と、松本さんが渡す)
Obayashi Ayano: えー、でも、コピーなんでさらに読めない……(笑)。
Naoko Takeuchi: いや、でもね、本当にここに書いたの。 もうこんな感じなんですよ。
Obayashi Ayano: ああ、はいはい。
Naoko Takeuchi: そんなに深く考えてなくって。
Katsuko Nakahira: R(セーラームーンR、第2部)とかだったら、あれですよね。 だからRで始まったのが、あのレイちゃんの予感から始まって、 で、S(スーパー、第3部)の時はちびう さちゃんが落っこちてきたところから……。(反対じゃなかった?)
Naoko Takeuchi: 全部だからここに書いてあるみたいに……、他になんですか? 本当にもうこのとおりなんですよ(笑)。
Katsuko Nakahira: 他にでは、神秘的な、ものとかっていったら……。
Naoko Takeuchi: あっ、あとはあっそうね、 もともと天文とか宇宙とかそういうものにはね、小さい 頃から興味があったんですけど、なかなか最初はその、 セーラームーンとそれをうまく結び付けられなかったんですけど、 やっぱり前回の、あのS(スーパー)、映画の原作で 「かぐや姫の恋人」 ていう読み切りを書いた時に、あの……。 そういう、何となくあれは、Rのね、映画の原作にするつもりだったん ですけど、その時にそういう宇宙みたいなのをな んとなーくイメージしたいなって思って、そのあたりから、ま、 時間が経ってこうだんだん形になってきて、で、そういうのを いろいろ考えていく中で日食なんてどうかなって思 ったんじゃないかなって思うけど、 うふふ。
Katsuko Nakahira: じゃ、取材にもね、行かれたとかって書いてたんで。
Naoko Takeuchi: そう、あれがねぇ、やっぱりけっこう大きなきっかけになって、 ホントはもっとね、 時間があったりしたら本を読んで、 きちんと勉強したいと思うんですけどなかなかそういう時間がないんで……、 あの、興味だけですね。 あんまりリサーチをしてとか深く考えてってことはないです。 思い付きです。
Katsuko Nakahira: WWWから入ってみるとか。
Obayashi Ayano: あぁ。
Naoko Takeuchi: 思い付きだけですよ、本当に。
Obayashi Ayano: 日食って、ごらんになったことあります?
Naoko Takeuchi: そうですね。昔、多分、ね。天文部だったんで 観測したことがあるかもしれない。あんま記憶に残ってない。
Obayashi Ayano: えぇ、そうですか。
Katsuko Nakahira: フィルムでね。
Naoko Takeuchi: ね。
Obayashi Ayano: うん。で、あのそういうのを聞くと私達はよく思うんですけれども、 あのそういう“宇宙論”、そういう「宇宙のはじまりは何?」とか 「ビッグバンは何?」とか、そうい う話、研究、実際にやっている人って本当にごく少ないんですよ。
Naoko Takeuchi: あっ、そうなの。
Obayashi Ayano: 中平さんはその関係に近いんですけれども。
Katsuko Nakahira: 近いだけ。
Obayashi Ayano: 松本さんや私はちょっと違って、星がどうやって生まれるか、 ガス雲がこうかたまって星がどうやってうまれるかっていることを、 私は観測的に、松本さんは理論的に調べているんですけれども……。
Naoko Takeuchi: あーはいはい、なるほどね。
Obayashi Ayano: だからあの……、そういう分野ってなかなか知られないな、 残念だなっていうふうに思うことがあるんですけれどもね(笑)。
Naoko Takeuchi: なんかでもわかりませんけど、大人よりも子供の方が素朴に そういうのに接している機会、多いんじゃないかしら。 普通に例えば小学生、中学生、図書館に行くじゃないで すか。やっぱりね、そこで今のね、私達の年代とか大人よりはよっぽど そういうのに近いところにいるべきだと……。 やっぱ私はわかりませんけど、 もっと子供向けにね、本なり 図書館なりにそういう分野の本やね、資料が、いっぱいこう派手に なんか置かれたりすればいいような気がするけど(笑) もういいんじゃない、大人はもうあと、先行き短いし……(笑)。
Obayashi Ayano: いやいや、そんなことない。
Naoko Takeuchi: やっぱね、ちっちゃい子が興味をね、持つべきだと思うわ。
Katsuko Nakahira: やっぱり、ま、童話本、漫画本。
Obayashi Ayano: そうねー、だからそういう……。
Naoko Takeuchi: そう、ここになんかほら、そうよね。その辺のそのほら、あの……、 もっとわかりやすくとか、そうやってなかなか知られる機会がないって 思っているのはもっともだと思うわ。だから私はあの……私自身はほら、 そういう学問を勉強してたわけじゃないから、 興味ある程度だけなんだけど、そういう セーラームーンとかで ちょこちょこっと出して、 とりあえずいつも私はキーワードしか提示しないんですよ。 あまりつっこんでないんで、そういうのをちっちゃい子が読んで 興味を持ってくれたらいいなと。そういうファンレタ ー多いもんね(おさBuさんに向かって)。 例えばほら、その「かぐや姫の恋人」ってい う漫画はわりと反応がね、あの、今までとは違ってて、 そういうふうに「宇宙に興味を持ちました。」とかね。
Obayashi Ayano: あー、そうなんですかぁー!
Katsuko Nakahira: やっぱ多いんだそういうのは、うれしいなー。
Naoko Takeuchi: 最初はね、とっかかりはやっぱりそのセーラームーンの そういう「興味を持ちました。」っていう手紙はやっぱり 「ギリシア神話に興味を持ちました。」「石に興味を持ちました。」 っていうのばっかりだったもんね。そういうの多かったけどやっぱり、 あの……あんまり私も深く考えずに描いてきたけど、 その「かぐや姫の恋人」でやっぱりそうい うはっきりしたメッセージを何か 「宇宙に興味を持ってくんないかな?」 っていう メッセージを打ち出した効果があったのよね。
Katsuko Nakahira: それは嬉しいよね、私達にとっても……。
Osabu: 僕の世代なんか、みんな一応宇宙に行くつもりだったんだけど(笑)、 歴史的にスピードが速くても、まあ2000年ぐらいにはみんな 行けるんじゃないかとめぼしをつけてたんだけども、 やっぱりスピードがそんなに速く進化していかなかったんで、結局アポ ロの後、失速してったから……。
Naoko Takeuchi: そうですね。あれは残念だよね。
Osabu: そこですーっと熱が……。
Naoko Takeuchi: そうそう、さめるのよね。私ね、すごく好きだったんですよ。 おうちにもほこりかぶってるけど大きなね、天体望遠鏡、 買ってもらったりとか。 天文って私って好きだったんだけれども、 でも、私はその、半分、漫画も好きでやっぱり「どっちかな?」って、 結局そっちの方に流れていっちゃったから……。 そうなんですよ、あんまりその、興味を持続できなかったんだけど。 なんか、今のね、ちっちゃい子たち……ちっちゃい子って言い 方は変だけど……興味持ってそういう学問的なね、道へ進んでくれる といいですよね。
Katsuko Nakahira: いやー、でも、いるかもしれないわよね、 あの「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」 にあこがれて入ってきましたっていう人もいるから。(誰のこと?)
Naoko Takeuchi: あーあー、なるほどね。
Katsuko Nakahira: 10年ぐらいたつとセーラームーンにあこがれて……。
Obayashi Ayano: だから、シューメーカー・レビー、後も出てきますけど、 シューメーカー・レビー彗星の衝突とセーラームーンで天文に 興味を持ちましたっていうような人が……、近いう ちに来るんじゃないかっていうふうに期待しているんですけど。
Naoko Takeuchi: そう、それでね、私もあれはすごい楽しみにしてたの。だから、 コミックスか何かに書いたの。なんか「それに興味があるの」みいたいな。 ちらちらっと、衝突前に。そしたらやっぱりね、ファンレターとかで いっぱい来ました。記事をね、ファイルにして、とっても……。
T、Katsuko Nakahira, Obayashi Ayano: はー。(興味しんしん)
Katsuko Nakahira: 何か今、一瞬考えてしまった。何巻だったかな? 10巻だったら今すっと出して。 「これですか?」って言えるかなって。
Obayashi Ayano: そうですか。
Katsuko Nakahira: やっぱあるんだね、そういうのが……、嬉しいな、なんか。
Obayashi Ayano: あの……、そういう衝突の写真とか観測結果の絵とか、 手に入れられました?
Naoko Takeuchi: 私は本当にね、ここ(FAX)に書いてある……、 その「ニュートン」とか「クォーク」とか、ま、この編集さんが 送ってくれるのを読む程度で、あんまり積極的にはね、 調べたりしてないんだけど、そういうの、ちょこちょこ載る、 そういうのを見る程度かな?
Obayashi Ayano: あーそうですか。あの……今回ね、あのそういう絵を持って こようかっていう話が、あったんですけれど……、絵とか写真とか……。
Naoko Takeuchi: お持ちになっているの?(わくわく)
Obayashi Ayano: ちょっと、あの、あんまり色がきれいに出ないんで……。
Naoko Takeuchi: 大学の望遠鏡とかで観測なされるの?
Katsuko Nakahira: うちはないんですよ。他にも、あんまりないよね。
Tomoaki Matsumoto: そうですね。宇宙望遠鏡ってありますよね。打ち上げた、 アメリカで打ち上げた……。あの 宇宙望遠鏡が写したですね、 シューメーカー・レビーの衝突の写真とかですね、 あれはあの、インターネット、パソコン通信みたいな、あの辺で 無料で公開してるんですよ。で、そういうインターネットでつながっている 大学ですとかが、無料で見れるんですよ。
Obayashi Ayano: これ、色があんまりきれいじゃない。何枚かテスト的に 出したんですけれども。
Naoko Takeuchi: そっか、そういうのにも使えるのね、インターネットっていうのは……。
Katsuko Nakahira: あっ、3Wが立ち上がってますよね、講談社では……。
Tomoaki Matsumoto: 講談社のページがありますよね。
Katsuko Nakahira: そこから宇宙研(聞き取れない?)へ行けば……。
Naoko Takeuchi: あっ、ほんとだー。
Obayashi Ayano: あっ、これ、コントラストが強すぎてきれいに出なかった……。 試しにこの、OHPシートになるような紙に、こう、とりあえす 印刷したんで、こんな感じなんですけれども……。
Naoko Takeuchi: きれい!
Manager: あー、きれいきれい。
Naoko Takeuchi: ねー。
Obayashi Ayano: こんなんでも……、もう少し、あの、色をきれいに調節して……。
Katsuko Nakahira: これ、土星の輪。
Obayashi Ayano: ここで嵐がおきているような、そういう絵らしい、写真、説明らしい……。
Naoko Takeuchi: あー、はぁはぁ。
Obayashi Ayano: これが、ハッブル宇宙望遠鏡、Hubble Space Telescope の 略なんですけど……。
Naoko Takeuchi: なるほどねー。
Obayashi Ayano: 色があんまりきれいに出ないんで、ちょっと……。
Naoko Takeuchi: 画面で見る方がきれいなんでしょ?
Obayashi Ayano: えー、もちろんもちろん。
Tomoaki Matsumoto: そうですね、はい。
Obayashi Ayano: こんなんでよろしければ、あの、今4枚だけあるんですけれども……。
Naoko Takeuchi: えっ、えっ、本当ですか!?
Obayashi Ayano: ええ、こんなんでよろしければ……。
Naoko Takeuchi: えっ、いただいても大丈夫? えー、嬉しいなー!
Tomoaki Matsumoto: また、言っていただければいくらでも……。あっ、ただで。
Naoko Takeuchi: すごいきれい! なんでもうちだせるのね。もう、こういうのは。
Obayashi Ayano: じゃ、あの、また今度、あの、分科会の様子をまた 小佐野さんにお送りしますので、その時に何かそういう絵を、 じゃ、同封します。
Naoko Takeuchi: あっ、そうですよね。
Obayashi Ayano: あー、やっぱり喜んでもらえたんだー。
Katsuko Nakahira: なんぼでもとれるもんねー。
Obayashi Ayano: いくらでも……。あー、色が、試しに出しただけなんで、色があんまり きれいじゃない、きれいじゃないっていうか見にくいんで……。
Naoko Takeuchi: なかなか私は、ほら、日々の原稿に追われてて、興味があってもこう、 積極的に、あの、ね、こういうのにとっかかりがなくって、 まわりにやっぱりね、こういうのやっている方とか、興味のある人とかね、 いないと、なかなか頭で「気になるな。」って思って るだけで……、しょうがないんだよね。 ……うれしー、ありがとうございます。
Obayashi Ayano: あー、あの、こんなんでよければ、後でまた、いくらでも、こう、 郵送します。
Katsuko Nakahira: 本当に、きれいにフィルムでコーティングして……。
Manager: みんなすごいよね、ほら。
Obayashi Ayano: あっ、そうですか。
Naoko Takeuchi: ほんとだー。
Manager: これ、そのままなんですか? 画面の……。
Obayashi Ayano: そうですそうです。
Katsuko Nakahira: これはそのままのやつ。
Obayashi Ayano: 大きさ調節するのが……。
Katsuko Nakahira: あの、あれだって、Open Windows だよね。
Manager: どうしてこれは、この、フィルムに……写しているんですか?
Obayashi Ayano: あの……、発表とかで、あのOHPシートで、こう投影して みんなに……。それ用のカラー、何て言うんですか? 出力なんで。 この、例えば自分で作ったカラーの絵をそういうOHPシートに出して、 「こういう結果です。」とかいうのを発表したりできるん ですよね。紙にももちろん出せます。
Manager: 大丈夫なんですか、これ、ちょうだいして……。
Obayashi Ayano: あっ、とんでもない、大丈夫です。
Manager: 何か発表しようと……。
Obayashi Ayano: いえいえ。
Tomoaki Matsumoto: これがですね、あの、何ですか、あの、公共に無料で公開されている 情報なんです。で、天文の成果っていうのはですね、こう、無料でこう 配布しているんですけど、利用できる環境にある人がごく一部なんですよね。
Naoko Takeuchi: そう、そうなのよね。あれなのよね。 Mac を買おうと思ったんだけど、 ちょっと、あまりに高い見積書が来て、今、迷っているのよね。 Obayashi Ayano: えっ、そうなんですか?
Naoko Takeuchi: いや、あのね、いいプリンターをやっぱり欲しいなーと思って……。
Tomoaki Matsumoto: あー、そうですね。Mac を買うと見れますね。
Naoko Takeuchi: 買うつもりではいるんですけど、なかなか忙しくてね、やる機会がなくて。
Katsuko Nakahira: 確かにそうだ。でもやっぱ宣伝しないとだめだよね。だからそういうふう、 何でも見れるーっていうのはね。
Naoko Takeuchi: そうよね。
Katsuko Nakahira: 知らないもんな、みんな。
Naoko Q3
Obayashi Ayano: じゃ、次に行きますか。えっと、私も高校時代、
自分で地学部を作ったぐらいで、
地学部だったんですけれども、あの、 今、天文部だったっていうお話が
ありましたけれども、どんな活動をなさっていらっしゃったんですか?
Naoko Takeuchi: あっ、でもね、お遊びだったの。
Obayashi Ayano: いや、そんなもんですよ。
Naoko Takeuchi: あの、私はあの、そんなまじめにね、部活にも出なかったし……、
好きなことを……。でもね、あの、覚えているのはね、
中学の時に私は地学部で、高校の時は天文部 だっ
たんだけど、地学部にいた時、やっぱりこういう、あの……、
「みんな宇宙に興味を持って!」っていう一生懸命な女の先輩がいてね、
私は1年生の時初めて入った時、
まずとっかかりが「宇宙塵を採りましょう!」
って言われて最初私は「宇宙じんってあの……(笑)
人の方の宇宙人かしら……?」って。
スライドガラスにワセリンぬって、一生懸命その……、
それが一番最初の活動だったの。 それがすっごい印象的で。
何でも、なかなかね、うまく採れなかったんだけど……。
なんか植物の胞子とかばっかりで……、
うつしちゃって、かんじんの宇宙塵はね、あんまり……。 でも、
それがやっぱりとっかかりで、あの、おもしろそうだなって思ったの
かもしれない。でもあとはね、あんまりまじめに活動してなか
ったから、よく覚えてない……。
Obayashi Ayano: あの、天体観測ってふうにFAXには書かれてましたけど、
どんなのものを見ました?
Naoko Takeuchi: でね、あの、高校の時は1月の……。私は出身が山梨、
甲府の方で、わりとそのあの……。今、
野辺山にすばらしい、ほら、
東大の……東大じゃないのかな、あれは。
Tomoaki Matsumoto: 電波望遠鏡。
Obayashi Ayano: 東京大学から国立天文台に……。
Naoko Takeuchi: あのあたり、すごいきれいなんですよね。よく合宿で
天体観測には行きましたよ。その、夏の流星群が一番ね、
きれいな時期とか……、冬は何だったけかな? でも、なん
かこう、必ず夏冬にね、寝袋持ってね、観測に行きました。
あとはね、自分ではわりと月が好きだったんで、普通に月の観測とか、
あと、星雲の観測とか惑星とか……。
Obayashi Ayano: 望遠鏡をのぞいて……。
Naoko Takeuchi: そうそう。天文年鑑を買って。そうそう、
だからあの……空のきれいな日に見るみたいな。
そう、趣味的なこと。あんまりきちんと観測っていうんじゃなかったです。
Tomoaki Matsumoto: いっぱい星雲とか、望遠鏡で見て……、見られてどんな感じでしたか?
思ったより暗かった?
Naoko Takeuchi: でも、そう、私やっぱりほら、最初に本でね、
素晴らしいのを見てあれをイメージすると、
「何これは、ゴミみたいな……。」そういう感じでね。
でも、ホント、やっぱりあの……。でもね、
月やああいう惑星なんかはわりと立体的に見えて感動したよね。でね、
あの“動いていく”
っていうのがけっこう私はショックを受けてね……。
Katsuko Nakahira: あっ、なるほど。
Tomoaki Matsumoto: あっ、だんだんはじの方へ行く……。
Naoko Takeuchi: 「今セットしたのにどうしてずれてんの!」みたいな。
頭でわかっててもね、なかなかこう体が最初反応しなかったっていうとこ、
おもしろかったですよね。
今、東京に来ちゃったから、
もう全然星を見たことないですけど……。
Katsuko Nakahira: あれでも、月を明るく見ようと思ったら、
1メーターぐらい欲しいもんね。(大き過ぎない?)
Obayashi Ayano: あのそうやって、そういう活発な、
けっこう活発な活動をされてたってことは、
地学の先生みたいなのは、ちゃんといらっしゃったんですか?
ちょっと思ったんですけど……。
Naoko Takeuchi: いたかもしれない、どうだろう? やっぱ覚えてないけど。
Obayashi Ayano: 最近地学を履修する大学が……、あ、
高校が減っているとかいうふうに言って、<
b>地学の先生が高校にいないと。だからそういう地学について、
天文について教えてくれる先生がいないっていう……。
Naoko Takeuchi: どうなんだろう。ほら、科目って年々言い方が変わっているじゃない。
そういうせいもあるんじゃない、昔は……。
Katsuko Nakahira: 理科Iの世代だろ。
Naoko Takeuchi: そういう、まとめたり、離れちゃったりとかね。私達の頃はもしかして、
そういうのあったのかもね。あんまりよく覚えてない。
Osabu: 待てないんだよね、宇宙とかね。石とかから始まるから、
気候とかから、大体3学期だから。
Obayashi Ayano: で、みんなが楽しみにしてた天文の分野がなくなって終わってしまう……。
Osabu: かけ足で終わっちゃうから……。
Katsuko Nakahira: あー、そんなん中学校の先生の責任だなー、こりゃ。中学校で
天文はとばしますって先生、多いもんな。
Naoko Takeuchi: あー、そうねー。そう、実際、受験に関係ないからあれされちゃって
いるのかしらねー。
Tomoaki Matsumoto: それはありますね。
Osabu: うちの高校からもいなくなった。
Katsuko Nakahira: あー、悲しい。これは訴えなきゃいけないよって。
Naoko Takeuchi: なんとなくわかんないけど、あとはあの……、さっきのほら、
そのアポロ計画が失速してっちゃった話じゃないけど、大きすぎて、
規模が大きすぎてお金もかかりそうだし、こういうのをけっこうはっしょっ
てっちゃうのが……。とりあえず目先の何かね(笑)。
日本の経済状況に関係ありそうなことから学ばせてるみたいなところ、
あるのかもね。やっぱりまだきっと、夢物語的なとこ、あるかもしんない。
どうなのかしら(笑)。
Katsuko Nakahira: やっぱそれ、やっぱ、お金が余ると天文業界に寄付して下さる方は
いますけどね。
Naoko Takeuchi: そうそう。だから、そういう余裕がないと興味の持てない分野なんじゃ
ない? 今、日本、あんまり余裕がないんじゃない? (笑)どうなんだろう。
結局アメリカも余裕がなくなってやめちゃったじゃない。でも、おもしろいわ、
それ。お金があまると寄付するっていうの。
Katsuko Nakahira: あのだからね、結局、例えば経済団体に寄付するとそこだけあの、
利害関係が重なりますよね。で、一番利害が重ならないのが天文なんです
よね。だからあの、
西はりま天文台
っていうところがあって、そこもあの、望遠鏡を1台寄付していただいたん
ですけれども、それも何でかって言ったら、その、宝くじの人達がもうけ
すぎて、なんか1億円ぐらいお金があまった、どうしようって、
使い道に困って、天文にじゃ、投資っていうのでやったらしい。
Naoko Takeuchi: へー、おもしろいわ。
Katsuko Nakahira: やっぱり余裕か。
Naoko Takeuchi: うん、そう。そんな気がするの。何となく、精神的に余裕がないと
だめなんじゃ。なかなかほら、やっぱり、みんな必死に生きてるから、
目先のことしか目に入らないし……。だから私は、ね、
やっぱりその余裕のあるまだあんまりこう、汚染されてない子供の
心の内じゃないのかしら。こういうの夢に持てるのは……。
Katsuko Nakahira: 10年後をねらって、セーラームーンを見てほしいなぁ。
Naoko Takeuchi: そういう人がでてきたらいいわよね。
Naoko Q4
Tomoaki Matsumoto: 次いきますか。で、4番目なんですが、映画の原作にもなりました 「かぐや姫の恋人」なんですが、 その時に、先程出ましたよね、あの…… シューメーカー・レビー第9彗星の木星に衝突というあの話をですね、 原作の中に入れたりして、 おまけにNASAまで取材に行かれたという話でしたが、 具体的にあのですね、どういう経緯でNASAまで?
Naoko Takeuchi: あれはね、えっと、まぁそういう 宇宙を何となくテーマにしたいなと思った 時に、 あの、向井千秋さんがタイムリーにね、ああいうこととかいろいろ そういうタイミングが重なって、ま、それでちょっと、 講談社さまさまにちょとお願いして取材に行かせてもら っちゃったのよ……みたいな。
Osabu: ちょうど1年前だよね。
Naoko Takeuchi: そうねー。
Obayashi Ayano: そうですねー、夏でしたねー。
Tomoaki Matsumoto: そういうなんかこう、天文の事件が起きますよね、毎年。 毎年起きれば今、我々嬉しいんですけど、こう、あの…… 小惑星が地球に近づいたりですね、そういう話が起きるんですけど、 そういう情報っていうのはどこから仕入れているんですか?
Naoko Takeuchi: そうそう、これがね、 本当にこのニュートンとクォークを読んでる くらいなの、私は。 昔はまじめにちゃんと天文年鑑を買ってたんだけど……。
Obayashi Ayano: すごい!
Naoko Takeuchi: でもある時からやっぱりああいうのははずれてっちゃうのよね、 買う本のうちからね。
Obayashi Ayano: いや、わかります、それ。
Naoko Takeuchi: でも、ほんとにあとはそれと新聞くらい、 私は。私は朝日新聞だけど、家は。もうそれくらい、うん。
Tomoaki Matsumoto: そういう記事って新聞でもこう、ちっちゃな……第6面ぐらいの ちっちゃなコラムにしか載りませんよね。そういうのを……チェックを ちゃんとされてるんでしょうか?
Naoko Takeuchi: 私はあれはね、実は……、まじめに新聞をきちんと読むタイプじゃないのね。 すごくためて、ある時、こう、なんだか知らないけど 「今日はまじめに新聞を読もう!」なんて タイミングよく思った時に、こう。仕事がしたくなくて読んでるの、新聞を(笑)。 だけどたまたまそんな中にね、小さい記事が……。 で、私もしかしたらそういうのに波長が 合うのかもしれない、そういう記事と……。
Katsuko Nakahira: あー、なるほど。
Obayashi Ayano: でもですね、こちらの実状を言いますと、 そういう新聞記事にたとえここのくらいでも新聞記事に載るっていうのは、 実はこーんなにお金をかけてこーんなに立派な研究をしたんだってバーンと 記者会見をして、初めて新聞のこのくらいの記事に載るんですよ。 だから逆に、記者会見をしてないような、まあ、小さなというか 下積みのような研究っていうのはもう、山のようにいっぱいあるんですよ。
Naoko Takeuchi: そうよね。
Obayashi Ayano: だから、そういうのもなかなかみさなんに伝わらないなーっていう気が するんですけれどもね。
Naoko Takeuchi: やっぱり難しいと思われちゃっているのかしらね。そういうほら、 記事って天文の専門誌でしょ? そうでもなーい?
Obayashi Ayano: いや、じゃなくって、新聞に載るのがすごいんです。
Naoko Takeuchi: そういう情報誌を買おうと思わないのかもね、難しくって。
Obayashi Ayano: 情報誌でもなかなか取材……そういうのを記事を載せたいんで 教えて下さいとか、私の研究を載せて下さいっていうのは、 なかなかないですよね。
Naoko Takeuchi: あぁ、そうよね、それはねぇ。
Katsuko Nakahira: さっきのTシャツ(SDSSの)のでもそうですよ。日本、 5億円出しているんですけど全然取材してないから誰も知らないんじゃ ないかしら っていう話が……実は……。
Obayashi Ayano: 5億円なの?
Katsuko Nakahira: でも3億円しか集まってないけど。
Naoko Takeuchi: あら、私それなんか興味あるわ。なんか、 資料かなんか、ないんですか?
Katsuko Nakahira: ニュートンに、前、載ってましたよ。去年かおととしかの12月号。
Naoko Takeuchi: あっ、その辺はカバーしてないかも。最近よね、なんかまじめに 見ようなんて思ったのは。
Manager: あれを経営しているのは財団なんですか?
Katsuko Nakahira: えっとね、昔は財団抜きでやってたんですけど、最近やっぱり金欠で、 あの、スロン財団っていうところがついたんですよ。
Naoko Takeuchi: なるほどねー。もったいないわね、そういうニュースを 取材しないなんて……ねー。
Katsuko Nakahira: もし、あーでも難しい資料しかないかなー? 簡単なの何とか あったら探してきます。
Naoko Takeuchi: あっ、そうかそうか。
Obayashi Ayano: 自分で書くのよ、自分で。
Katsuko Nakahira: 書くの。
Naoko Takeuchi: あぁ。
Tomoaki Matsumoto: 勉強にもなる。
Katsuko Nakahira: あーじゃ、岡村さんの文章をさらにけずって……。
Manager: 麻原彰晃じゃないけど、チビっ子に(笑)みんなのおこづかいから、 ……財団にお金を出そう! とか(笑)。
Naoko Takeuchi: ねぇ、現地へ行かれたりしないの?
Katsuko Nakahira: まだ、今年の10月からやっとサーベイが始まる……かもしれない。 で、それが終って私は1年か2年かおいてから行くことになるんですよ。 だからまだまだ……。
N;楽しみですね。
Tomoaki Matsumoto: 日本人も、ちょくちょくこう、海外のですね、 望遠鏡を使わしてくれと言えばですね、 海外に行って観測して戻ってくる。 データ持って戻ってくるということをやってますね。
Katsuko Nakahira: ハッブルもそうだよね。さっきのあの写真のやつ。
Tomoaki Matsumoto: あっ、そう。
Katsuko Nakahira: 確かあれは、うん。うまいことあの、自分が見たいやつが望遠鏡を 使って見ることができたら、その、イギリスだったかどっか、 アメリカかな? あの、向こうに行った、行ってこうやって全部使えます というのを見ることができるんですよね。2週間ぐらい、期間的には。
Obayashi Ayano: えっとその、漫画にするには、そういうのを、 情報をこう漫画にするにあたっての工夫に、 そのFAXの答えでは、あの、
「ものすごくファンタジックな設定にする」ってありましたけれども、 具体的にはどんなことを考えていらっしゃるんですか?
Katsuko Nakahira: イメージ……。
Naoko Takeuchi: そうね、あとは一応、私がほら、漫画を描いているのは少女漫画誌 なんで、やっぱり読者は女の子が注目するし、なるべくあの……、 ちょっと仕事の話になるけど、みんなきれいなものを求めるからね。 こう、例えば漫画の画面的にきれいにしちゃうとか、そう いうことかな。あとはやっぱり難しくすると……あの……、 ちょっと読者がひくっていうか、やっぱりね。
Tomoaki Matsumoto: あー。
Naoko Takeuchi: 私がいくらこうメッセージにしたくても、なかなか読んでもらえ なかったりするからね。そういうところ、適当にしちゃうのよね。 うそっこってわかってても……。
Katsuko Nakahira: そういう時にきれいな絵があったりすると……、いいかもしれない。
Naoko Takeuchi: ねぇ。
Katsuko Nakahira: やっぱりあれは、美しくするのか。
hr
Obayashi Ayano: あぁ、じゃ、次に行かせていただきますけれども、 あの……さっきからこう、 「子供達に興味を持って欲しい」とか、あの、「メッセージが伝われば」って いうようなふうにありましたけれども、こう、子供達への影響について、 なんか、いろいろその、ファンレターの反響とかの話 も今までありましたけれども、どんな感じですか?
Naoko Takeuchi: そうでもね、本当に、嬉しかったのは、やっぱりえっとー。 本当に私はこのセーラームーンっていうのは、まあ、お仕事なんだけど、
“好きなもの”、“自分の好きなもの”をつめこんでるだけなの。 で、最初にあのー、例えばそう、ギリシア神話からね、名前を とるとか、鉱物に興味があったから石の名前を使おうっていって、 単純にまあ、ほんとに自分が好きで描いてただけだったのよ。 やっぱり反応で、「石に興味を持ちました。」、 「本を読みました。」、 「石の名前だったんですね!」、 みたいな、そういうのが来ると、、 「あぁ、興味を持ってるのは私だけじゃなかったな。」 っていうのがね、やっぱりわかってすごく嬉しかったし、 そうするとこう、まあほら、小学生が多いからかわいい手紙じゃ ないですか。だから、あぁ、じゃ、 「もっと教えてあげよう。もっとこういろんなあの、 キーワード、ちりばめてあげよう。」 とか、そういうふうに思ったのよね。 あとはほら、 別に私が教えてあげることはないのよね。 興味持てばきっとこの子達が自分で勉強するだ ろうと思うし、なんかそういう……。
Manager: きっかけを作るのが大事、ね。
Naoko Takeuchi: そうそう、そういうことをしてあげたらいいんじゃないかなって。 理想を持っているんだけど、でもなかなか現実的には……(笑)。いつもこう、 〆切に追われてつまっているだけ。うまくいかないんだけど。
Obayashi Ayano: 最近あの……、そう、子供達の理科離れとか、理科があの……、中学、 高校に行くに従って理科が嫌いになっちゃうとか、あの……、大学に行く人も 理科系、志望する人が少ないとか、そういう現象とかありますけれども、 そういう興味が持続してくれるといいですよね。
Naoko Takeuchi: そうだよね。だから、やっぱりまあ、私は、あんまり受験は経験してないけど、 受験が良くないんじゃなーい? なーんて。(笑)そんな難しい話は……。 しょうがないのかな。アメリカとかはどうなのかしら?
Katsuko Nakahira: あれはよく、入るのは簡単、出るのは難しい。
Naoko Takeuchi: ねぇ、そういうふうにすべきよね。
Katsuko Nakahira: 日本は逆ですよね。入るのは難しいけど出るのは簡単という。
Naoko Takeuchi: そうそう、そうよね。
Katsuko Nakahira: ネタができたら送るのかなって。(意味不明、なんて言ってるの?)
Obayashi Ayano: あぁ。
Naoko Takeuchi: なんか、私なんか実は……、 まあ、私はわりとね、広く浅くな方なんだけれど、 いろんなことに興味があって、それを勉強したいなって思ってもそうなの、 入るのが難しいから現実問題としてここの大学のここの学部に行って勉強したい けどでも偏差値が高すぎるみたいな、妥協妥協の連続になってっちゃうのよね。 それがやっぱり、もうちょっと、あの……、そうそう、入りやすくなると いいかなー、なんて。うふふふ。
Obayashi Ayano: そうですよね。天文ができる大学って、あんまり……少ないって言います けれども、実は違うということを……、違うんですよ。知られてないだけで。 私もそういう大学出身なんですけれども、それで、名古屋大学に移ってきたん ですけれども……。
Naoko Takeuchi: へー。
Katsuko Nakahira: みんなそうだね、それ。あー、松本さんははずさないといけないけど、 私もそうですね。
Naoko Takeuchi: 今でもあれでしょ? 私達の時代からまたほら、増えたでしょ? 学部とか。そうでもない? 昔からあったの?
Osabu: っていうのは?
Naoko Takeuchi: いや、学部とかそういうの。
Osabu: わかんない、なんの?
Naoko Takeuchi: うーん、だから、大学とか増えたじゃない。
Manager: いや、でもきっとほら、もっと、ストレートに情報工学とかそういう 職にストレートな学科……が増えてるんですよね、きっとね。
Katsuko Nakahira: そうですね。
Manager: だから、歴史の方も史学とか、そういう天文学っていうのは……、 どうしても好きな人が行くっていう感じの取られ方……。
Katsuko Nakahira: そうかもしれない。天文学……、なんていうの、地学科というか天文学。 だから、阪大だって本当は天文学っていうのはなくって、 物理学専攻の中の一部。
Naoko Takeuchi: あっ、そうですよね。
Katsuko Nakahira: ないのよね、そういう意味でゆったら。
Obayashi Ayano: なんで、そういう……どの大学に天文を教えてくれる先生がいるとか、 講義があるっていうのも、なかなかそういうの、知られてないんですよね。 最近そういう活動をする人もいるようになってきたんですけれども、えぇ。
Katsuko Nakahira: 確かに、タレント的な人もいるねぇ、確かに。
Osabu: みなさんは、どういうところからどういうところに移っていったんですか?
Katsuko Nakahira: 私は……、あっ、どうぞ。
Obayashi Ayano: 私からいきますか。私は、あの、 学部と修士課程は東京学芸大学だったんです。 えぇ、それでやっぱり……。
Manager: 東京の方なんですか?
Obayashi Ayano: 実家は栃木なんですけれども……。
Manager: あっ、私も!
Obayashi Ayano: あっ、そうなんですか。それで、高校時代、 自分で地学部を作ったようなやつなんで、 やりたかったんですけれども、やっぱりその、天文学ができるのは、 東大、京大とか、そういうのしかないと……。
Naoko Takeuchi: そういうイメージよね。
Obayashi Ayano: 多いですよね。(そういうイメージ)持ってたんで、それでまあでも、 学芸大に、とあるきっかけで天文の講義があるっていうことを知ったんで、 まあ、そこに入った。「自然環境科学」っていう、 まあ、環境問題ができるだろう と思って入ったんですけれども、実はそうでもなかったんですか、 そこで、天文の研究室があるっていうことがわかって、 天文の先生もいるっていうことがわかって、 そこの研究室に入って続けてるうちに おもしろくなってきて、で、学芸大は修士課程までしかないんで、 博士課程で名古屋大学に移ったという、そういう形なんです。
Naoko Takeuchi: あっ、なるほどね。
Katsuko Nakahira: 私はあの……、奈良教育大学ってご存知ですか? 奈良の方の奥地の大学なんですけど。で、出身……というか、 まあ、自宅は兵庫にあるんですけど、あの、まぁ、 奈良教育大に修士まで行ってて、で、 最初元々はただ単に学校の先生になりたいから行ったと。 で、ま、もともと理科が好きだったから、ま、理科行って、 で、まぁ、一番入りやすいかなーって思った、まぁ、物理でもともと 全然天文と違うことやってたんですよね。そ、 最終的にはやっぱ天文が好きでやりたいと思ったけど、 そこはもうそれこそ先生がいなかったんで、まあ、あきらめて、 まあいいやと、物理科の方に入って行ってたんですけど。 と、そのまま教採受けて、教師になるはずだったんですけど、あの、 今の大阪大学のとこに、ま、時々……いいかな、名前出しちゃって……、 あの、テレビとかでも出てはるんですけれども、池内了っていう先生、 おられますよね。あの、あの方が来られたっていうのを聞いて、 まあ、だめもとで受けてみようかって受けたら通っちゃったんです。
Naoko Takeuchi: あぁ、なるほどねー。
Manager: そう、そういう指導する人がいるっていうの、大きいんですね。
Obayashi Ayano: 私もだから、名古屋大学に移ったのは、あの、学部の卒業研究、 修士論文で、その、「名古屋大学に行って観測してきなさい。」って言われて。 名古屋大学には電波望遠鏡が、その、ガスを、 星間ガスを観測する電波望遠鏡があるんです。 そこでデータをもらってやっているうちにおもしろくなってきて そこに進もうと……。
Katsuko Nakahira: ただ、指導する人がいないとまず、卒業できないんですよね。 だから行けないというのもけっこう……。 あっ、うちはそうだったんで……。
Obayashi Ayano: 松本さんはどうですか?
Tomoaki Matsumoto: あっ、私の番ですか。私はですね、 あの、実家が札幌なんですけど。あの……、 名古屋大学と北大を受けてですね、 まあ、結局名古屋大学に来たんですが……。 えー、まあ、僕も地学部に入ってたんで……。
Katsuko Nakahira: 私だけ?
Tomoaki Matsumoto: 星に、あのー、興味があったわけですけど、 あの、なんか受験しているうちにですね、こう、物理学という……物理、 ありますよね、なんか、難しそうな。 あれを極めるとなんか、 この世のことが全部解明できるんじゃないかって思ってですね、 なんか変なおごりを持ってしまいまして、で、 「物理やりたいな」と思ってですね、で、 名古屋大学の物理学科に行ったんですが。で、そこに、 物理を勉強しているうちに天文が、その……、学科に天文をやっている、と、 研究室があることを知ってですね、それであの……、天文の 方に足を踏み入れてこういうことに……。
Naoko Takeuchi: なるほどねー。
Katsuko Nakahira: 逆パターンですねー(笑)。
Obayashi Ayano: という、それぞれの経歴を持っております。
Tomoaki Matsumoto: 武内先生はですね、話変わりますけど、あの……、 天文と漫画の方に両方興味があって、で、なぜ?
Naoko Takeuchi: そうそう。でも、やっぱりねぇ、あの……、そうは言っても、そのほら、 それこそ高校の科目にはねぇ、確かに天文って専門分野はないし、 自分でそれこそ図書館へ行くなりね、本を買ってきて勉強できないし、 そうこうしてるうちにやっぱり 受験勉強のシステムに組み込まれていっちゃうからね。 それで……、あの……、やっぱりね、意識として……、 天文を学問と思ってなかったの、だろうな。そう、趣味で、 興味が……。とてもそれをほら、勉強しようとかそのしくみを見つけよう っていう意識が、なんかこう、なかったのかもしれない。好きなんだけど……、 でも、実際じゃ例えば進路を決める時にやっぱり、その分野っていうのは……、 出てこなかったかな? うーん、どうなんだろう?(笑)
Katsuko Nakahira: そやなぁ、うん。天文っていったら…… どっちかっていうと趣味っていうイメージ……。
Naoko Takeuchi: で、まだまだほら、私なんか興味を持ちはじめて知識がないから……、 本を読むだけでせいいっぱいだったのよね。本を読めばなんか……、そうそう、 いつかは全部わかるんじゃないか程度だったの。自分で、ほら……、じゃ、 大学へ入るとか、そうしなくても……。まだほら、図書館に読み残した本は たくさんあるし、本屋さんにも読みたい本はいっぱいあるしっていうような レベルだったんだろうな。
Obayashi Ayano: でも、理科系の方が得意だったんですよね。
Naoko Takeuchi: そう、それで……、でも私は……。さっきも言ったようにいろんな 興味がある方だったから。 進路がね、 もともと医学部に行きたかったの、 でもやっぱり全然偏差値が足りなくって行けなくって、 でも漫画も好きだし、なんて、そんな紆余曲折しててね、全然……。 でも、受験勉強も大っ嫌いだったから……。稚拙な話だけど、
やりたくない勉強をするっていうのは嫌だったんだろうな。
Obayashi Ayano: いや、わかりますよ、それは……。
Katsuko Nakahira: なんか似てる、私もそうだった……。うん、紆余曲折して……。 最初音大って言ってたもんな、私……。
Obayashi Ayano: あぁ、そうですか。
Katsuko Nakahira: 似ても似付かん。
Naoko Takeuchi: あれは? 筑波とかにはそういう学部はあるのかな?
Osabu: ある?(ここから5行ぐらい、聞き取りにくい。)
Naoko Takeuchi: 違うの、ないの?
Osabu: 地学じゃないの? 医学?
Naoko Takeuchi: ありそうなのにねぇ、そんな学部は……。
Osabu: 一応それらしいのはあるかもしれないけど、あんまり誰もやんないかもね。 数学だとか……、物理学。
Tomoaki Matsumoto: 特にこう……、天文なんかってのは別に、 宇宙の七不思議がわかったって、 宇宙船作ってそこに行くわけじゃないから、全然我々の生活に還元されない ことばっかりやってるんですよね。 だから、そういうところ、 そういう分野には、あの……、お金は……、あ の……、財布のひもはかたいですよね。
Naoko Takeuchi: でもほら、ね、すごく将来的なことを考えたら、そういうこと考えるべき だと思うのに、やっぱり目先のことで手いっぱいなのよね、きっと、誰も……。
Tomoaki Matsumoto: 特に日本は……。
Naoko Takeuchi: ね、そうそう、そうだと思うの。私はやっぱりね……、あっ、 ごめんなさい……、自分がリアルタイムに経験してなかったけど、その、 アポロ計画とかすごいね、あの……、 興味があるし夢があっていいなぁと思うし、 ああいうのがほら、何年後かわかんないけど いつかはね、そういう、ああいう計画が必要になってくる時も来るん だろうとか思っちゃうんだけど……、 結局、あれも予算で決まるのか……。 何となく、もうちょっと……、そうね。どうなんでしょうね、うふふふ。
Katsuko Nakahira: 芸術面の振興でもそうだもんね。だからむこうとかはやっぱり安い……、 でしょ、オペラとか入るの。だからみんなバッって入るけど、日本なんて国……。 あれはなんでかっていうと全部国が補助出してるからで、日本は全然そういう ような補助っていうのはね、出さないから、ものすごくコンサートとか聞きに 行くのに1万とかね。だから、ウィーンフィルとかが来ても「あぁ、 入れない。」って、そこでね、シャットダウンされちゃうこ ととかもやっぱりある。あれと同じようなりくつですもんね。
Obayashi Ayano: あの、今のお話をうかがっていると、なんて言うんでしょう。 研究のためというよりはむしろ、 広報活動のためにお金を使えみたいなふうにも 聞こえるんですけれども……。
Naoko Takeuchi: 研究……、うーん、あっ、ごめんなさい。 ほら、私達は研究はしている方じゃないわけだから、 興味がある側としては情報が欲しいの。そうそうそう、 だから、研究のかた、うーん……。だから、やっぱり私達は研究している みなさんの、ほら、どんな研究をしてるのかなとか、その研究がどの辺まで 進んだっていうのを知りたいからやっぱり、私達にとっては情報がすべて なのよ。だから、やっぱりそうね、その、広報っていうのは大切な ものなのかもしれない。
Obayashi Ayano: でも、思うんですけれども、やぱり、予算少ない、 少ないって言っても我々はそれこそ、 天文業界集めると、数億とか数十億……、億単位のお金を もらっているわけですよ。
Naoko Takeuchi: じゃあねぇ、やっぱりその、広報活動にお金をさいた方がいいのかな、 わかんない。ちょっとお金を……。
Tomoaki Matsumoto: そう言うかですね……、あの……。
Obayashi Ayano: 個人の努力で……。
Tomoaki Matsumoto: そうです。あの、研究者自身がですね、あのー、 広報活動をないがしろにしている という面もあるんです。 あのー、別にこう、一般の人々にですね、 「私の研究はこうです。」という時間をさくよりはですね、 一生懸命論文書いて、論文バンバン投稿してですね、天 文学会での中で、学会の中で名をあげた方が有利……。
Naoko Takeuchi: 何かのじゃ、接点があるといいのよねー。
Tomoaki Matsumoto: そうです。なんかそういう交流の場とかですね……。
Obayashi Ayano: だから、あの、FAXにも書いてありましたけれども、タレント活動、 いわゆるテレビに出て自分のことを……、自分の研究を紹介したり、 子供の質問コーナーで答えたりとか、そういうことをなさっている方も 本当にごくわずか、いますけれども。あの、ちょっと、あの、こっちの 話になっちゃいますけれども、私達が研究して、研究成果をじゃ、 みなさんの税金を使ってやっているんだから……、予算ということは 税金ですよね。税金を使ってやっているんだから研究を発表しよう っていうことは、結局、論文雑誌、一般の 人が見たこともないような論文雑誌に投稿しようと……。
Naoko Takeuchi: そうそう、そうだから私……、大変なことだと思うのよ。 私達が積極になるよりも、 みなさんが積極になる方が大変なことだから、 やっぱりじゃ、 国がもうちょっと視点を変えて力を入れてくれるといいってことかな。 ね、その広報活動に……。
Katsuko Nakahira: 中継点とか作りゃいいのかな、やっぱり。
Naoko Takeuchi: でね、あの……、現実問題としてやっぱり大変なことだと思う。 研究者のみなさんが自主的に、 私達興味がある方も自主的にっていうのは……。 それはもちろん正論なんだけど、大変なことだから やっぱりそれをやってくれるのは国なんじゃないかって、 私なんか思っちゃう。予算を出してるのは国民なんだから、ね。 国がもうちょっと力を入れてくれるといいんじゃなーい。 うふふふ……、わかんないけど……。 だってそういう場を、なかなかあの……、研究者のみなさんが自分で 作り出すっていうのは大変なことだと思うし……。
Obayashi Ayano: あっ、そう思われますか。
Naoko Takeuchi: そう、大変なんじゃないのかしら、 自分達でこう作っていくっていうのはね……。なんかこう……。
Osabu: だから教育は……、だから今、その、 宇宙を勉強している人の半分は自分を捨てて、 うしろの後の人を教育することを、身を捨ててやってかないと……。
Naoko Takeuchi: あっ、なるほどね、教育ね。
Katsuko Nakahira: 年くった人はわりとやってますよね……。残さないといけないしね。
Osabu: そうね。自分の先も見えるから……。そしたら後は普通に……。
Manager: 自分達のことでいいっていう人もいるのかしら……。
Naoko Takeuchi: あっそうね、わりと、没頭しちゃうとか……。
Osabu: でも、僕、愕然としたのは、子供の頃よりやっぱり、宇宙とか天文の本が 本屋さんに少ない……。
Naoko Takeuchi: そう? でも私は逆にね、私は……、ある……、ブランクがあるの。 例えば大学の時は自分は……、私は薬学部だったの。そこら辺のほら……、 本しか読まないし、漫画とかしか……。でも、最近になってある時、 本屋とか図書館とか行ったら、やっぱりいっぱいあったし……。あの……、 昔の知識とはなんか、全然状況も変わったし……、あの……。
Osabu: あのね、とっつきやすいの。
Naoko Takeuchi: そう。そうかなぁ?
Katsuko Nakahira: 年間平均100冊ぐらいですか。で、話題が“ピッ”とあると“ドーン”と、 こう、やっぱり出て来るんですよね。で、やっぱこの間……。
Osabu: そういう時はバーンと出るよね。だから、待ってることは待ってるんだよね、 みんな。
Katsuko Nakahira: シューメーカー・レビーの時は、望遠鏡関係の話と彗星関係の話がやっぱ、 圧倒的に多かったですね。
Osabu: あれでまた姿をね……、それが……、 イベントが終わると姿を消しちゃう……。
Naoko Takeuchi: あっ、そうか、そうよね。
Tomoaki Matsumoto: このところ、毎年イベントが起きてくれているので(笑)、幸か不幸か……、 何かの……、まあ……、おもしろいことが我々にとっては……。
Naoko Takeuchi: そっか、そっか。
Katsuko Nakahira: そうだあれは、地震だったら地震の本も出るし、彗星衝突だったら……、 やっぱりね、惑星関係の本が出るし……。今度は何でしょう?
Osabu: それでもね、まだ、興味を持つっていうかね……。わりとイベントとして もっとすごいイベントぐらい、ね、子供だと思うんだけど、それよりか、 オーソドックスなのでも、そういう時はちゃんと興味を持つから、まんざら 捨てたもんではないと……。で、今の子達の方がもう、わかってるから。 そんなに僕の頃みたいにね、僕は一応もうね、火星まで は行くかな、と思っててね……。
Naoko Takeuchi: そうよねー、私もそう思った。
Osabu: 僕の子供は太陽系出るかなぁ、なんて(笑)、予定では……。 で、日本中動くほどになってね、足が弱くなっちゃって大変だって、 ちっちゃい頃はね(笑)、 心配してたんだけど、そんなことはなかったね。
Katsuko Nakahira: 昔の人が体力貯えてたのはそのせいか……、そんなことはない。
Osabu: やっぱ国が……、ひとつにまとまっている時とか……。例えばそれこそね、 だから戦争の時とか、冷戦の時とかっていうのは国がまとまっているから、 そういうことでガンガン進もうとかっていう……。
Katsuko Nakahira: あぁ。
Naoko Takeuchi: 競争よね。競争原理が働いてるから……。
Osabu: それからすごく内面に……。
Naoko Takeuchi: 今……、今、保守的になっちゃってるのよね。
Osabu: 向きはじめて、生活とか……が、大事になったから、やっぱ、夢の部分ね、 すてきな部分からどんどん切り捨てられちゃって……。
Naoko Takeuchi: やっぱり目の前のことが大切なのよね。
Katsuko Nakahira: 確かにそうだよねー。
Obayashi Ayano: あのー、FAXの質問のところにも書いたんですけれども、そういう、 何ていうんですか? あの、さっきから「情報もらえれば」みたいな話あり ましたけれども、その、漫画に協力する可能性とか、 そういうのができるっていう可能性っていうか……、ありますでしょうかね? 例えば外国の、あの、まあこれ、もうちょっとSF的なテレビ番組と かだと、天文学者の人がこう、解説に名を連ねていたりとか、あの、 SFアニメの方でも、日本でそういう例が、ヤマトなんですけど、あるん ですけれども、そういう可能性については、どういう……、 何かお考えありますか?
Naoko Takeuchi: 漫画って……、あの、いろんなことできるから、 そういう可能性はあるわよね。 やっぱり……、そうね、漫画が生かせたらいいかもしんない。
Obayashi Ayano: もう……、ね、私達もそういう、もう楽しい漫画の世界だったらもう、 ふたつ返事でそんなのOKしちゃうよとか、(笑)思ってるんですけれども ……。小佐野さん、いかがですか? その辺は。
Osabu: あの……、星野之宣さんなんて、あの……、北海道出身でね、北海道 中学生新聞で宇宙物をね、載っけてたりして……。
Naoko Takeuchi: 今も?
Osabu: もうあれ、で、この前単行本でまとまったけど、2巻ぐらいでね。
Naoko Takeuchi: へぇー。
Osabu: ああいうことみたいなのとかは……。
Obayashi Ayano: そういうのは……、いわゆる……、ちょっと偉そうな言葉で言うところの “監修”みたいなんですよね。
Naoko Takeuchi: あーあー、はいはい。
Obayashi Ayano: 宇宙監修とかいうところで、そういう人の名前が入るというか……、 そういうのってできますでしょうかねぇ。
Tomoaki Matsumoto: ただ、そうすると……、うーん、あのー、現実的な問題になりますと、 その、まああこれは、小佐野さんに聞いた方が……、 お聞きした方がよろしいのかもしれませんが、あの、 監修とかかたいですね、こう、実際の科学を本当に再現するようなですね、 あの、かたいお話になると、例えば「2001年宇宙の旅」とかですね、 そういうかたい、話になるとですね、 実際売れるのかどうかっていう問題があると思うんですけど(笑)。 あの、その、商売にならないとですね……。
Osabu: そうすると、ある程度エンターテイメントのそれとか、 ファンタジックなこととか、融合していかないと……。そうすると、 例えばそういうことに身を売っていこうっていう人はね、多分ね、 嫉妬を受けると思うんですよね。 それからね、媚びてるとか言われてね。よほど精神力強くて、自分は、あの、 そういう方面のことが大事だからと、ちゃんと割り切れてやっていければ、 そうしたらより、エンターテイメントなものにも、監修って名前 が……、自分の名前を出して……、さらされればね、 嫉妬や羨望はいっぱい受けるし、
「そんなことよりしっかりやれよ(コワイ)。」 って。(笑)だからね、本当に勇気のある人はね、そういうところでやっぱり やってぐかなって……。そうしたら意味あるっていう……。
Manager: 「研究してないんじゃないだろ。」って言われる……。
Naoko Takeuchi: そう言われるかもね。
Osabu: タレント学者とか言われてね。でも、それはすごく大事なことですよ。 まあでも、研究者だったらちょっと、自分のやりたいかなって思うところもね、 あるから。先が見えた人が……、そっちへ行くのもいいかなって……。
Manager: まあでも、これは、若い……、頭がやわらかい間にそういうふうな可能性を、 もっとこう、広めていかれるってこと……。
Osabu: 若くてそういう危機感を持ってるってこと、大事なことだよね。
Manager: そう、みなさん愛してらっしゃるんだなって、 思いますよ、天文学を……。
Tomoaki Matsumoto: ちょっと、我々もですね、漫画に……、興味を持っていてですね。あの、 最初は漫画なんですよ。僕は 「宇宙戦艦ヤマト」を見てた世代なんですけど……。
Naoko Takeuchi: そうですよね、私も……。
Tomoaki Matsumoto: で、それ見てですね、「あぁ、宇宙とはなんてすばらしい!」 とかですね。それで、あの、この分野に興味を……。
Naoko Takeuchi: あれ、みなさんのお年は、そうするといくつぐらいになるのかしら?
Manager: 何年生まれなんですか?
Obayashi Ayano: 45年です。
Katsuko Nakahira: 若いっ! 44年。
Tomoaki Matsumoto: 私は43年。
Katsuko Nakahira: ちょうどね、年順(に並んで座っている)。だから、 ちょうど私らの子供の時代っていうのが、アニメの一番盛んだった……。
Osabu: アポロが月に降りた頃。生まれた頃がアポロだよね。
Tomoaki Matsumoto: そうです。アポロが行った時にちょうど生まれた……。
Osabu: 見てたよあれは……、ずーっと。
Obayashi Ayano: あぁ、いいなぁ、見たかった。
Naoko Takeuchi: えー、ほんとー、いいなぁ。
Katsuko Nakahira: 私はおなかの中でした。
Osabu: 「寝なさい!」って言われて、2時まで起きてた。
Katsuko Nakahira: へー、すごーい。
Osabu: 小学校3年生。
Naoko Takeuchi: 私はね、42年生まれだから、そうなの。やっぱりヤマトの世代で……。 そうです、そうです。
Katsuko Nakahira: やっぱりみんな、ヤマトに影響受けるのか……。
Tomoaki Matsumoto: やっぱり、あの、天文……、天文とヤマトっていうのはつながって、 子供の頃影響されて……。
Naoko Takeuchi: そうよね、そうなのよね。
Katsuko Nakahira: イスカンダルでしたっけ?
Tomoaki Matsumoto: 16万8千光年。(笑)
Katsuko Nakahira: 私は遠く及ばないなー。ガッチャマンの世代だから。
Obayashi Ayano: だからあの、そういう漫画にするとかアニメにするのに、その、 書いていいうそと、 やっぱりここには科学的な監修が入らなければならないところと、 やっぱりそういう見極めって、あると……、あると思うんですよね。だから、 そういうところに、なんか、協力できたらなというか、そういうのあったらと 思いますよね。
Naoko Takeuchi: なるほどね。まだ……、まだっていうか、えっと、今のね、 その漫画のはやりの中ではちょっと、マイナーな分野なのかもね、 宇宙を取り扱っているのは……。
Obayashi Ayano: そうですか? そんなことない、 セーラームーンのヒットを見ればもう……。
Naoko Takeuchi: でも、そうは言ってもほら、 本当はセーラームーンは宇宙そのものを 大きなテーマにしているわけじゃないですけれども、 セーラームーンていうちょっとかくれみのの中で、 私はちょっとやっているくらいで、今ね、 いくつかあるんだけども、でも、マイナーな作品の部類なのかな、ね。 何となくほら、ゲームのね、流行のようなのが前面に出ちゃって るし、なかなか、うーん、もっとメジャーになるといい……、 いいけど……。
Manager: なんかゲーム作ったら? セーラームーンの宇宙と星。(一同、笑)
Katsuko Nakahira: 子供が学習する……、こと座のゼータとイプシロンとかって、確か、 外伝のところでも……。
Tomoaki Matsumoto: ああいう啓蒙漫画っていうのはどうも……、 僕は個人的には好きじゃないんですが……。 なんかこう、なんて言うんですかね。なんかこう、 媚びを売っているという……、 さっきの小佐野さんの言葉を借りればですね、こう……。
Naoko Takeuchi: そうそう、そうなの。そう思っちゃう人が出てきちゃうのよね。
Tomoaki Matsumoto: なんか、全然おもしろくないんですよ、読んでて。だから、 それよりはまあ、 多少うそもついていいからですね、こういう、 セーラームーンのようなですね、 漫画で、さっきの言葉でいうところの“きっかけ”を与えてくだされば……、 興味を持つことを与えてくだされば……。
Obayashi Ayano: そうだから、月に王国があるとか、宇宙人が攻めて来るなんで、実際には 全然ありえないことで、うそなんだけれども、でも、そういううそはもう、 全然……、あっていいと思うんですよ。
Naoko Takeuchi: でも私は……、ほんと、つい最近まで、何だったかしら、あの、ほら、 なんとかファイブっていうの……、 けっこう、まじめに信じてたのよ……。
Tomoaki Matsumoto: あぁ、マジョスティックトゥエルブですか?
Naoko Takeuchi: Right.
Tomoaki Matsumoto: 宇宙人がいるっていうんでしょ?
Naoko Takeuchi: 残念だわ、あれ。
Katsuko Nakahira, Obayashi Ayano: えっ、なになに?
Tomoaki Matsumoto: あの、矢追純一か何かがですね、あのー。
Naoko Takeuchi: でもね、すごい昔で、本が出てたじゃない。
Katsuko Nakahira: あっ、知らない。
Naoko Takeuchi: そう、あれはうそだったのよね。あの、 サインがうそかなんかで、ちょっとなんか……。
Tomoaki Matsumoto: あの、宇宙人の死体が、エドワード空軍基地にあるとかそういう……。
Naoko Takeuchi: だからそういう文章が……。
Katsuko Nakahira, Obayashi Ayano: Ah.
Tomoaki Matsumoto: そういう秘密文書がトップシークレットで……。
Katsuko Nakahira: あー、そういえばそういうのがあったな、そういうような話題も。
Manager: なんとか公開法で……、見れるとかって。
Naoko Takeuchi: そうそうそうそう。
Tomoaki Matsumoto: アメリカの、情報公開法で見れるっていう……。
Katsuko Nakahira: あー、そうかそうかそうか。あれの話。あー、そりゃ広い宇宙だからどっか 探せばねぇ、かもしれないけれどもまあ……。
Naoko Takeuchi: ねぇ、いてほしいよねぇ。
Katsuko Nakahira: 近傍は、ちょっと無理かなっていう(笑)。
Osabu: そう、宇宙人いれば、盛り上がるよね。
Naoko Takeuchi: ねぇ、そうなのよ、ねぇ、なんて、うそでもいいから……。
Obayashi Ayano: いて欲しい。
Osabu: みんなの心理的なとこで、「そろそろ出会うかな。」っていうところ、 あるかもしれない。
Naoko Takeuchi: だから私はね、あれはね、うそでもいいからああいうので……、あの、 水曜特番じゃないけど……、カッパノベルズでも出たんじゃないけど……、 ああいうの、きっかけのひとつだと思うの。
Katsuko Nakahira: あっ、ほんとかうそかを確かめるために……。 とすると、エセ科学も必要か……。
Obayashi Ayano: いや、それは……、それはちょっと違うと思う。
Katsuko Nakahira: なるほど。
Obayashi Ayano: どうですか? こんなところで……。
Katsuko Nakahira: おもしろい話が聞けた!
Obayashi Ayano: じゃーあのー。
Naoko Takeuchi: ごめんなさい、勉強不足で……。
Obayashi Ayano: いや、とんでもないです。
Naoko Takeuchi: ためになりました。
Obayashi Ayano: 率直な意見をうかがえて……、とても嬉しいです。
Katsuko Nakahira: とてもためになりました。
Obayashi Ayano: えーっと、じゃあ、あの、分科会が終わって何らかの形で報告できる時に、 また、こちらから何か、欲しい情報があればいくらでも持って……。
Naoko Takeuchi: あっ、是非。
Obayashi Ayano: 送りますので、あの、何かあったら言ってきて下さい。 こちらも用意しますので……。
Naoko Takeuchi: ありがとうございます。
Obayashi Ayano: じゃあ、今日は……。
Tomoaki Matsumoto、Katsuko Nakahira, Obayashi Ayano: どうもありがとうございました。
Osabu: 今日はほんと、お疲れ様でした。
Obayashi Ayano: いえ、どうもありがとうございました。
Naoko Takeuchi: Should we return?
Osabu: Return home?
End Recording)